なぜ看護師が足りないのか
看護師は就職先も多く、引く手あまただとか言いますが、これは裏をかえせば慢性的に看護師の数が足りない、ということになります。
これは結構、前から言われていることでして
日本の看護師が足りないため、近年、海外から看護師を呼び寄せているという話も多く聞きます。一般病院でも、最近ではフィリピン人や韓国人の看護師さんも時々見かけるようになりましたよね。
看護師の合格率などを厚生労働省のデータで見てみると、毎年4万~5万人ほどの新人看護師が誕生しています。
こんなにも毎年多くの看護師が誕生しているにもかかわらず、日本はいつまでたっても看護師不足が解消されないわけです。
理由はいくつかありますが、最も深刻なのは、単純に看護師の退職者数の方が上回っているということです。
新卒看護師と再就職者とを合わせた数でも、退職者数の方が上回っており実質看護師の数が減少している、という現実があります。
看護師は女性が多いので、結婚・出産などの生活の変化に合わせて仕事を辞めなければならなくなったり(私も出産を機に退職しました)
看護や、それに伴う診療補助行為というのは看護師の業務独占(資格がない人はできない)ですので、看護師の代わりの人を用意することができません。その割には看護師に求められる仕事が多すぎて、どうしても多忙で複雑になってしまいます。
そうなると、忙しさを理由に辞めちゃう人が多くなるわけですが、辞めた人の仕事は他の看護師に回されるわけでして、残った人はさらに忙しくなります。
看護師が少ないから忙しくなる⇒看護師が辞める⇒さらに忙しくなる⇒看護師不足に拍車がかかる
という魔のサイクルが生まれるわけですよね。
2006年から診療報酬が変わった事で、7:1看護という体制が始まり、1つの病院に今までより多くの看護師が必要となりました。
また、本格的な高齢化社会になり、看護が必要な人はどんどん増えていますので、本来ならば今までよりも多くの看護師が必要になるはずなのですが・・・
もっともっと、看護師という仕事が働きやすい環境になれば、退職した人もみんな看護師に戻って来ることができるし、そうなれば看護師不足なんて一気に解消されると思うんですけどね・・・
パートタイマーとして、短時間・短期間でも仕事ができたり、託児所を用意している職場とかね。
どうせ働くんだったら働きやすい環境で長く働きたいですよね。
もう少し、働く環境が整っていれば、私もいつかは看護師として戻りたいと思っていますが・・・
また医療は年々高度化しますので、以前看護師として働いていた経験が、次の職場で通用するのか、とか一度職場から離れた私が、再度先端医療の対応ができるか、という不安もあったりします。
長く看護職から離れていた人が、看護師に戻りたいけど今更無理よね・・・・という気持ちになってしまうのも、看護師不足の原因だと思います。
つまり、看護師不足の本来の実態は
看護師免許は持っているけれど、看護師の仕事についていないという人が多い、ということだと思います。
その中でも、おそらく看護師として再就職したいと思っている人は多いはずです。
・・・が、職場環境の過酷さや、一時期看護職から離れたブランクが壁となり、もう一歩踏み出せない原因となっています。
病院側としては、看護師が忙しいというのはもぅ仕方がないんじゃない?と言われるのかもしれませんが
今のままでは、どんどん看護師不足は深刻化していきますので
できれば雇用側の方がうまく歩み寄り、もう少し看護師を思いやる努力をしてほしいと思うわけです。