看護師と医療事故

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こういうことを言うと誤解を招くかもしれませんが、それを承知でお話ししますと、病院では、一般の人が思っているよりも、かなりの頻度で日常的に医療事故が起こっています。

医療事故、と一言で言ってもいろんな種類がありまして、医療過誤といわれる、例えば患者の取り違えや薬間違いなど、いわゆる医療者側の過失から生まれる事故もあれば逆に、患者さんが廊下で転んだなど医療者側の努力だけでは避けられなかった不可抗力な事故などもあります。

看護師の中で圧倒的に多いのがインシデントと言われる事故です。うっかりミスや勘違いなどから起こる事が多く、ヒヤリハットとも言われます。

インシデントは不適切な事が起こったにもかかわらず、それが事前に訂正された為、患者様への影響は特に無い、という状態のことを言います。

そしてアクシデントとは、インシデントに気が付かず、事前に訂正されることなく適切な処置が行われず、患者様への傷害が発生してしまった事を言います。

アクシデントにもレベルがありまして、患者様への影響の強さによってレベルが上がり、最悪死亡事故が起こった場合が最高レベルの5になります・・・まぁこのあたりは、もしかすると各病院によって医療事故の基準が違うかもしれませんが、だいたいは同じような感じだと思います。

死亡事故などと比べれば、インシデントなんて途中で気がついたならミスじゃないやん?と一見思っちゃうところなのですが、医療サイドから見れば、インシデントは立派な医療事故です。大抵起こりうるアクシデントというのは、小さなインシデントが沢山積み重なって発生するものですからね。。

なので、インシデントが発生した場合は、医療事故報告書というものを書き、上司へ報告。それが看護部長の元まで届き情報は全て共有されます。事故が起こった状況、その時の看護師の行動思考、なぜ事故が起こったか、それを防ぐためにはどうすれば良いのかなど、事細かに記載していきます。

医療事故報告書を書いていると、自分がこんな事故を起こしてしまいました、どーもすみません、みたいな何だか反省文を書いているような、すごく罰せられている気持ちになってしまうのですが、本来医療事故報告書(ここで言うインシデントレポート)というのは、反省するために書くものではありません。

自分が起こした事故は、必ず他の人でも起こりえるケースなので、皆で共有し、同じ失敗を何度も繰り返さない為に書くものです。なので自分への戒めというよりは、他の看護師皆に、自分と同じ失敗をさせない為に書くという事ですね。

例えば、患者さんが転んで怪我をした場合なども、どうすれば避けられたかを客観的に考えてレポートに書いていきます。

障害物は無かったか、床材が滑るものではなかったか、履物の素材は?電気が付いており視界は良好だったか?患者様の意識レベルは正常だったか?意識朦朧とさせる薬を飲んでいなかったか?四肢に不自由が無かったか・・・他色々です。

一見、勝手に転んで怪我しただけじゃんと思いたいところでも、我々医療サイドで避けることができなかったのかを考えたりします。。避けられる事故は医療者側のフォローで全て避けていきたいからです。

とはいえ、医療事故報告書を書くというのもいい気持ちじゃないですし、あたりまえですが事故を起こさないように皆注意をします。

私の場合、あまりにも不可抗力だった患者さんの転倒事故のインシデントレポートに、「ナースステーションのカウンターに飾られた蘭の花が大きすぎて廊下にはみ出してしまい、患者様が廊下の手すりを握れなかった」と書いたことがあります。

そんな馬鹿な!って感じですけどね・・・・。。

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