インフォームドコンセントとは

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インフォームドコンセントという言葉は、医療従事者ではもはや当たり前のように日常的に使われている言葉ですが、一般の人には馴染みが薄いと思います。 医療の世界でも、比較的最近、ここ10年前位から浸透してきた概念です。

それでも、例えば最近病院へお世話になる事がある人は、やたらと沢山の書類にサインをしなければならなかったり、貰った薬にやたら詳しい説明文が付け加えられていたり、という覚えは無いでしょうか?かいつまんで言えば、あれがインフォームドコンセントの実態です。

日本語に直訳すれば説明と同意ということです。

医療従事者が患者様に対し、病気や薬、治療内容などについて、十分に説明します。治療の必要性、治療の内容、効果、その期間や費用などまで、その全ての内容に対し、患者様が正しく理解を得た上で、治療を受けるかどうかを選択決定し、同意を受けて初めて行う、ということです。

もっと簡単に言えば、必要な情報を全て与えた上、受けるか受けないかは患者様の判断に任せる、ということだと思います。

ただ、このような概念自体は、うんと昔から常識的にあったものです。医者は患者にしっかり治療内容を説明し、それに合意して患者は治療を行う・・・よく考えたら普通に当たり前の事ですよね。医者は勝手に治療はできませんし、患者自身だって知らない治療は受けたくないでしょうし。。

・・・と、思っていたのですが、実態を見れば意外なことに、患者さんは自分の病気や治療内容について詳しく知っている人って少ないんですよね。

ご高齢の患者さんなどは特に多いです。大体は、全てにおいて先生にお任せします、という丸投げな状態。。

病気や治療などは専門知識になりますので、正直聞いてもわからないと言われる人が多いです。というより、まぁその中でも、患者が医者を全面的に信用している、という前提があっての「お任せします」が多いので、そういう選択ならアリだと思います。

ただ、なぜ改めてインフォームドコンセントを改めて口やかましく言われているかの背景に、同じ時期から医療訴訟が大きく取り上げられてきたことがあります。

医療訴訟とは、医療行為により患者が死亡・後遺障害などを引き起こした場合、業務上の過失(その医療行為に不適切な行為が無かったか)などを、患者自身、もしくはその家族が医療側を訴えるといった、民事訴訟の事です。

治療中に、患者が死亡したり後遺障害が残るような事があれば、その家族はやはり考えます。行った治療方法は本当に適切だったのか、危険性は無かったのか、もしくは可能性はどの割合だったのか、他の治療を選択する余地は無かったのか・・・

中には、こんな治療をしているなんて聞いてなかった!医者が勝手に行った治療で殺した!病院のせいだ!と言われる方もいらっしゃいます。とても悲しい事です。大半の医者はどんな患者も救いたいし、現在より良い状態へ、少しでも患者を楽にさせる為に必死なはずなのですが・・・。

病気の治療は、内容の大小はあれども人の生死に関わる内容です。

進行していく病に抗う、もしくは 死という誰しもが迎えるゴールを先延ばしにする、という反自然的な行為が治療という考えであれば、治療をするという立場である医療側は、患者様の想定外である自体に発展した場合、訴訟問題になるというケースが少なくありません。

そういう意味では非常にシビアです。

今、どこの病院へ行っても、どのような治療を行うにしても治療説明書(同意書)という、必ず医師の言葉が文章化された紙を渡され、患者自身やその家族の直筆のサインを求められます。

医療者が、患者に治療内容、その危険性などを全て説明した上、その治療を患者自ら望んだ、という証拠を残す為です。

・・・こう言ってしまうと、なんだか、責任転嫁のような気になってしまいますが、医療従事者側から言えば、患者様の命を預かるのに全身全霊をかけてとりかかるのに対し、患者様自身の信用を得られないまま、悪いことがあれば訴えられるなんて、こんな割の合わない話は無いわけですから・・・。

ただ患者側からすれば、特に詳しい説明もなく、同意のサインを早急に求められるといったケースも少なくないようです。「サインをしないと治療が始められない」的な事を言われ、急かされる事もあるようです。

これじゃダメですよね。本来のインフォームドコンセントの意味が全く成されていません。

でも最近の「治療説明書(同意書)」は、かなり医療知識が無い人でもわかりやすく書かれていることが多くなりました。以前は専門用語を並べられた説明で、聞く患者側もちんぷんかんぷんな事が多かったのですが・・説明内容がわからなければ、選択もクソもないわけですしね。

なので、これ幸いとして患者さんの立場になった場合は、安易にサインをするのではなく、しっかりと書かれている内容を読み込み、自分の意思で治療内容を決定し、納得を得た上で、自分の責任を持ってサインをするようにしてください。

もしも、その医者や治療の内容が気に入らなければ拒否する事ももちろんできますし、希望すればセカンドオピニオンと言って、他の病院を紹介してもらうことも簡単にできます。

まぁ、まずは信用ができる病院・医者・治療内容を、患者自身で選ぶという事が大事だということですよね。医療従事者は、患者様に信用していただけるよう誠心誠意を持って対応に当たる必要があります。

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