外科医とオムツ
私が看護師時代に所属していた外科病棟では、手術が毎日行われていました。
手術の症例によっても変わりますが、手術時間というのは短くて1時間弱、平均して2ー3時間程度で手術室から患者様が出てくるという印象です。
ただ、大きな手術になると、朝一番で搬入し、手術が終了するのは夕方頃・・・時間にしておよそ10時間前後。難しい心臓外科の手術などになると、無事に終了するのが明け方頃になる、ということも聞きます。
手術というのは1人の医者が1人の患者様の手術を行うわけではなく、そこには執刀医の他、補助をする役目の数名の医者、麻酔科の医者、手術専門の看護師などの数名がチームになって行うわけですが
今日の手術はすんごい長丁場になるぞっっ!!と意気込んで手術室に入っていくドクターを見送りながらひとつ思ったこと。
「・・・先生たちって、長い手術の時、猛烈にトイレに行きたくなったらどうするんだろう・・・・」
実は外科とはいえ病棟の看護師である自分達でも、手術室の中というのは気軽に立ち入れる場所ではなく
常に清潔を保つ為に、これ以上入ってはいけないラインというものがありまして意外と、病棟の看護師は手術室の中がどのような構造になっているのかを知らなかったりします。
(いや、あくまでも私が今まで働いた総合病院に限っての話ですが)
なので、当然同じ環境で働く同僚や先輩ナースに尋ねたところで みんな真意の程は知る由もなく
「そういえば・・・大きい手術の時は、オムツを履くらしいって聞いたことがある」
なんて、なんとも興味深い話が浮上するわけですよ。
オムツというのは、もちろんベビーの可愛いオムツとかじゃないですよ。介護用の大人オムツです。
まぁたしかに、病院という環境上、大人用のオムツのストックには困りませんし子供用パンパースでさえ、最長10時間の吸収力を持つといいますしね
長時間の手術でも安心設計!・・・・というところでしょうか。
そんな話を休憩時間中などにニヤニヤしっぱなしで続けつつ
いつも病棟では大威張りの病棟長ドクターや
いつも怖い顔と迫力で、病棟でも一目置かれているドクターや
爽やかで気さくなスポーツマンタイプの若いドクター
など
手術前になると
こっそりトイレなんかでパンツを大人オムツに取り替えたりするのだろうか
やっぱりオムツに抵抗のある人は尿とりパッドなんかを使用するのだろうか
人によっては オムツかぶれとかするんだろうか
など
くだらない妄想ばかりを巡らしたものです。
手術が終わった頃、外科医はオムツを履いているのかの真相を明らかにする為、病棟の中ではいちばん優しいという噂の先生に尋ねてみたところ
「いや、オムツなんてはかないよ。横になっている患者を目の前にしてトイレに行きたいなんて思わないよ。体調が悪い時は別だけどねー。」
ですって。
なんか・・・・すみません。
でもそんなに長時間手術をし続ける外科医って やっぱりすごい!