BLSとは
2014/06/06 コメント : 0
前回、ナースはAEDを使えないという記事でもお話したように、医療関係者に限らず一般の方でも救命処置法を勉強することはできます。
「BLS」「ACLS」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
医療関係者なら当然あると思いますが、一般的には浸透してない内容だと思います。今回はそんなBLSについてです。
BLSとは
Basic Life Support(一時救命処置)の略称です。
一時救命処置とは、急に倒れたり窒息を起こしたりした人に対して、その場に居合わせた人が救急隊や医師に引き継ぐまでの間に行う応急手当のこと。
専門的な器具や、薬品などを行う必要がないので、正しい知識と適切な処置の仕方さえ知っていれば、誰でも行うことができます。
(日本ACLS協会より引用)
突然倒れた人がいたりすると、まず呼吸をしているかと心臓が動いているかを確認しなければならない!といいますよね。
これはつまり、無呼吸 → 心停止を疑うということなんですよね。
脳そのものには酸素を蓄える能力がありませんので、心臓が止まってしまったなら短時間で低酸素状態に陥り、元に戻らない状態に陥っていきます。
戻らない状態というのは例えば何かしらの麻痺が生じたり、意識不明の状態が続く植物状態になったりするということです。
心臓停止、呼吸停止、大量出血の経過時間と死亡率の目安をグラフ化した「カーラーの救命曲線」というものがあるのですがそちらで言うと
人間の脳は2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度であるが、4分では50%、5分では25%程度とというのがわかります。
つまり早く対処できればできるほど、助かる可能性が高いということです。
そんなわけで、なるべく多くの人にBLSを知って頂いた方が良いということなんですよ。心停止をした人の周りに偶然居合わせた人のBLSの知識の有無で助かる可能性が数倍にも上がるわけですからね。
BLSでは人工呼吸、心臓マッサージによる心肺蘇生法からはじまり、近年は除細動(AED)まで範疇に入るようになったそうです。
車の運転免許証をお持ちの方は経験されていることかと思いますが、実は自動車学校で心肺蘇生法の実習が行われるんです。皆様覚えていらっしゃいますか?
当時の私はといえば、正直あまり真剣には受けていなかったんですよねぇ。。成人男性の人形に向かって「大丈夫ですかー」と声をかけたり、人工呼吸をしたりするのがなんとなく恥ずかしい気持ちでしてね。。
そのような技術を持っていても、使うことなんてまず無いと決めつけていたのだと思います。
医療従事者となった経験から、心肺蘇生法を学ぶ機会はその後も多かったのですが・・・今思えば一般の人が公式に心肺蘇生法を学ぶ事は、自動車学校の実習位なものかもしれませんね。
私のように不真面目な生徒だと、いざ実際倒れた人に出くわした際、動揺して何をすればよいかわからずパニックになってしまう可能性のほうが高いかもしれません。気を引き締めておかないと。。
日本ACLS協会では、本当にBLSが必要な時に、しっかりと実戦できるよう、実践に基づいたトレーニングを繰り返し行うことで、有事の際に必要な技術を体で覚えることができるよう指導されているそうです。
講習は、全国各地 (64か所)で受講することができ、一般の会社員や学生、主婦の方でも受講することができるとのことです。詳しくは日本ACLS協会で調べてみてください。
またそれ以外にも、AHA(アメリカ心臓協会)と提携したトレーニング施設や公認を受けた施設でも受講することができるようです。
意外と近くの施設でこういった講習が繰り返し行われていることを今回調べてはじめて知りました。
受講は決して安い値段ではないようですが、もしも自分の家族や大事な人に何かあった時に役に立つ知識と技術であれば、決して無駄にはなりませんよね。興味がある方はぜひ調べてみてください。